フォロでは、フリースクールで大事にしていること、親と分かち合いたいことを、それぞれ「7つのこと」として言葉にしてみました。オープンソースのように、自由に改変応用して使ってもらえればと思って作成したものです。

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●フリースクールで大事にしている7つのこと
(β版 2013.09.08 NPO法人フォロ作成)

1.居場所
  子どもが安心して居られる場所であることを大事にしてます。

2.“自分”でいられること
  子どもの自主性、気持ちを大事にしています。
  言い換えるなら、子どもが“自分”でいられることを大事にしています。
  “自分”が大事にされることで、“他者”も大事にできます。

3.信頼関係
  スタッフは上の立場に立つのではなく、メンバーとの信頼関係を大事にしています。
  ルールも、スタッフが一方的に決めるのではなく、自分たちでつくります。

4.もめごと
  ときには、トラブルやもめごともありますが、もめごとこそを大事にしています。
  なぜなら、もめごとからこそ、関係を真剣に考え、場を深めることができるからです。

5.いろんな子がいるということ
  いろんな子どもたちがいます。発達障害など知識や配慮の必要な場合もありますが、まず診断名ありきではなく、子ども自身との出会いを大事にしています。

6.いろんな価値観との出会い
  教科学習の応援もしますが、学びを広く捉え、子ども自身が関心・興味を深めることを応援します。いろんな価値観との出会いを大事にしています。

7.揺れること
  とはいえ、不安や悩みは尽きませんが、まっすぐ進むのではなく、右往左往すること、揺れることも大事にしています。


◎つまり、シェアする(分かち合う)ということ
 フリースクールでは、知識も、価値観も、上から押しつけるのではなく、子どもたちとシェアしたいと思ってます。大人が子どもに伝えられることもあれば、子どもから大人が学ぶこと、子どもどうしが学び合うこともあります。
 また、診断名で子どもを決めつけたりはしませんし、子どもどうしのトラブルも、上から裁くようなことはしません。子どもたちの苦労や悩みも、いっしょにシェアして考え合っています。
 フリースクールは、おもしろいことや、ためになること、もめごとや、つらいこと、悩みごと、いろんなことをシェアする居場所です。

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●親と分かち合いたい7つのこと。

1.不安や悩みは、抱え込まずに。
 まずは、弱音でもグチでも毒吐きでもかまいません。親は自分の悩みや不安を抱え込まず、吐き出しましょう。フォロでは、ほっとサロン(親の会)や親の相談窓口を開いてます。

2.あせらず、無理せず。
 子どもが学校に行きたくないというのは、言葉にはならなくても、かならず背景があります。無理に学校に行かせようとしたり、子どもを「病気」のようにみて治そうとしたり、あせって勉強させようとばかりするのは、百害あって一利もありません。

3.“問題”と見えることはサインです。
 子どもは、言葉ではうまく表現できず、「お腹が痛い」「頭が痛い」「朝起きられない」といったかたちで、身体でサインを出すことがあります(大人でも、そういうことはありますし)。ときには神経症が出てきたり、家庭内暴力になったり、あるいは自分を傷つけたり、とてもしんどい状況になることもありますが、問題の表面だけを見るのではなく、そうせざるを得ない、苦しさの根を見ましょう。一見、問題と見えることは、子どものサインです。

4.“将来”より“いま”を。
 子どもが学校に行っていないと、とかく将来のことが不安に思えます。しかし、子どもの側からすれば、将来のためにがんばることに疲れきって、いまの自分を受けとめてほしいのだと思います。“いま”を充分に生きることができてこそ、前に向かって歩けるのでしょう。

5.何より居場所を。
 学校で居場所を失った子どもは、自分でも自分を責め、否定しがちです。子どもの苦しむ姿は見たくないものですが、問題を解決しようと焦るよりも、まずは家に居られること、親や周囲の人に否定的なまなざしで見られることなく、安心できることが大切です。

6.土壌を耕しましょう。
 家庭以外でも、自分を否定されることなく、居られる場所のひとつとして、フォロはあります。土中に根をきちんとはることができなければ、地上の花が枯れてしまうように、もし花が枯れているとしたら、改善すべきは土壌です。フォロでは、子どもや若者が生きていける土壌を、フォロに参加する方たちと、いっしょに耕していければと考えています。

7.気長にぼちぼちと。
 焦って即効性のある働きかけを求めても、悪循環するばかりです。一見、ムダに見える時間を過ごしているように見えても、けっして子どもはムダには生きてません。子どもは自分の「いま」が受けとめられ、自分の存在の根をはる土壌があれば、苦労はあっても、やっていけることでしょう。それには時間もかかれば、まっすぐに進めるものでもありません。気長にぼちぼちと、やっていきましょう。