だいぶ以前、『不登校新聞』で上野千鶴子さんにインタビューした際、上野さんは情報というのはノイズから生じる、とおっしゃっていた。そして、ノイズというのは、異なる他者のあいだで生じるものだ、と。以下、インタビューの一部を引用する。

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情報はどこから生まれるかといえば、「ちがい」から生まれるんです。いつもと同じ道を通り、いつもと同じところに行き、同じ人に会っていたら、「今日は何もなかった」ということになる。ところが、いつもとちがうところに行き、いつもとちがう人に会ったら、日記にも書くことがあったりする。たとえば外国人と接すると、あたりまえと思っていたことでも、いろいろ説明しなければならなくて、情報量があがるわけです。

異質な者どうしが接触したときに、ザワザワとした摩擦が起き、ノイズが発生する。情報理論では、情報のもとはノイズだと言います。ノイズのうちで、ノイズのままのものと、情報に転化するものがある。しかし、ノイズが発生しないところには情報は生まれようがない。できるだけ自分とちがう人と接触し、自分のなかにちがう世界を持つ。そうするとザワっとする。このザワッが情報のもとになる。

逆に、自分と似たような人とだけ付き合っていたら、情報発生が抑制されてしまいます。ノイズの発生しないような組織は、組織ごと沈没していくことになると思います。

学校も企業も、管理社会はノイズを抑制するように組織をつくってきました。そのほうが管理するのにラクですからね。同学年を集め、男だけ女だけで集めてきた。そこに外国人や障害児が入っていったり、学年を超えてクラス編成したりすれば、ノイズが発生するはずです。(『不登校新聞』119号)
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問題は、どうやって異なる他者が共生できる“フローラ”を構築できるかだろう。菌たちも、外界では生存競争をかけた仁義なき戦い(?)をしているようだが、なぜか腸内では共生するそうだ。腸に聞いたら、何かヒントを教えてくれるだろうか? (つづく)

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先日、奈良県御杖村にプチ合宿に行ったときに室生寺の近くで撮影。
とっても静かな何かが、ザワザワしてました。