少し前にコムニタスの映画の時間で、『ガンジー』を観た。終盤、インド独立を前に激化するヒンドゥーとムスリムの対立のなか、ガンジーは争いを止めるため、激戦地となったカルカッタで「死に至る断食」に入る。そこに訪ねてきたヒンドゥーの若者がガンジーに、「自分は地獄に落ちる。ムスリムの子どもを殺してしまったから」と告白する。しかし、それは自分の息子が目の前でムスリムに殺されたからだった、と。ガンジーは彼に対し、次のように言う。

「地獄から抜け出る道がひとつだけある。それは親を失った子どもを拾って育てることだ。ただし、それはムスリムの子でなければならない。ムスリムの子をムスリムのまま育てなさい」

映画だから、美化している面も多分にあるだろう。それでも、このメッセージは、私たちにも響くもののように思う。異なる他者を異なるままに認め合うこと。それは、いまの砂を噛むような「地獄」を抜け出る、唯一の知恵でもあるだろう。 (つづく)

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東京タワーの蝋人形館にて撮影。
ガンジーさん、ごめんなさい……。