「聞く」プロジェクトの一貫として、シリーズ仕事人というのを始めた。いろんな仕事の人に、仕事の実際を聞いていこうという企画である。その第1弾として、昨日、葬儀サポートセンターの岩貞光祐(いわさだ・こうすけ)さんにお越しいただき、お話をうかがった。
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葬儀サポートセンターは、文字通り、葬儀のサポートをしている。メールや電話で相談を受け、その要望に応じた葬儀社をサポートセンターが紹介する。相談料は無料。葬儀社から紹介料を得て、事業を展開している。
葬儀というのは、思いもかけず突然必要となることが多く、消費者よりも業者主導で進められがちだ。そこで、消費者が相談でき、納得のいく葬儀のサポートをしようというわけである。相談件数は、事業開始以来4年間で7000件、葬儀件数にして2000件。ニーズの高さがうかがえる。しかも365日24時間対応で、スタッフは10名。それで、たいがいの場合は通夜や式にも立ち会うという。
もともとは社長とふたりで、しかもまったくの素人で始めたが、素人の眼だからこそ、見えてくるものがあって、役に立っているという。葬儀社を紹介する基準は、何より自分が葬儀を頼みたいと思えるかどうか。1件1件訪ね、自分自身が納得できるかで判断しているそうだ。また、葬儀社に対しては中立を貫くため、缶ジュース1本ですら「接待」は受けず、お中元などが来ても返すという徹底ぶりだった。

岩貞さんのお話ぶりからも、徹底して誠実であろうという姿勢はうかがえ、それでいて事業を拡大し、ニーズに応えているのは、なかなかすごいと感じた。しかし、ものすごく多忙なようなので、ストレスはないのか気になって聞いてみたが、それはきっぱりと否定された。岩貞さんは「むしろ、大きな組織で自分の思いどおりにならず、配慮ばかりしなければいけないほうがストレスになる」と語り、たいへんでも自分の裁量で仕事ができることに、自負を抱いているようだった。

たしかに、同じ忙しいのでも、自分なりのビジョンや思想を持って仕事ができる場合と、言われた仕事をこなさなければいけない場合では、まったくちがうだろう。そのあたりは、時間や量に換算できないものがあると思う。岩貞さんが自分の思想や信念を軸としながら仕事をしている姿勢には、とてもすがすがしい感じを受けた。
もちろん自分の思想と熱意を持って仕事に取り組んでいても、燃え尽きてしまうことだってあるだろう。自分の信念が揺らいだり、崩れることだってあるかもしれない。それは、それでいいんだと私は思う。ライフワークかどうかなんて、あらかじめわかるものではない。そのときどき、自分の見えている範囲で、ぶつかっていくしかないんじゃないかと、自分自身のことを省みつつ、そう思う。