2月9日、大阪刑務所を見学させていただいた。いろいろ感じること、考えることがあったが、とりあえず、今日はテーマをしぼって書いてみたい。

大阪刑務所は、日本で2番目の収容規模を誇るが、現在は定員2704名に対し、3000名を超える状態が続いている。そのため、単独室(6㎡)でも2名収容したり、6名定員の共同室(20㎡)に7~8名収容している状態となっている。さらに、職員がほとんど増員されていないため(職員数547名)、さまざまな無理が生じている。たとえば、受刑者側からすれば、より管理的に扱われることになっているし、刑務官側からすれば、過重労働になっている。
1995年の大阪刑務所の収容人数は1810名、それが2006年では3041名にまで増えている。12年で1.7倍にも増えているのである。日本全体でみても、刑務所の収容定員7万7500名に対し、受刑者は8万名にのぼる。

なぜ、こんなにも受刑者が増えているのか。そこが問題だ。
大阪刑務所の罪名別構成比をみると、覚醒剤が39%、窃盗が30%、およそ7割が微罪である。大阪刑務所は「犯罪傾向の進んだ成人男子」をおもに収容しているのだが、その刑務所にして、7割が微罪。しかも、受刑者のうち、再入所者の割合は7割に及び、平均入所回数(日本人)は4.3回だった(外国人は1回)。高齢者も多く、60歳以上が14%を占める。そして、精神や身体に何らかの障害を持つ受刑者が全体の34%を占めていた。
説明してくれた刑務官も、「社会的弱者が刑務所に来ている」と語っていた。

受刑者が刑務所の定員を超えるまで増えているのは、日本の治安が悪くなったからではなく、刑務所以外に行き場のない社会的弱者が増えているということだ。受刑者の増加も、社会関係の貧困化を示すバロメーターの一つだと言えるだろう。
これが、刑務所で「更生」する問題でないことは、再入所率の高さをみても明白だ。必要なのは、このガリガリに細ってしまった社会関係を、少しずつでも耕していくことしかない。
先日、野宿者排除と“引きこもり狩り”との共通性について書いたが、刑務所に行って見えてきたものも、社会関係の貧困の実態だった。