年末調整の季節だ。源泉徴収というのは、誰が考えた仕組みか知らないが、これのせいで、大方のサラリーマンは、税金についての自覚があいまいなままになっていると思う。年金や健康保険などもしかり。天引きで自動的に払われて、そのぶん手厚く守られているように思える。だから、あまり深くは考えないでも、すんでしまう。しかし、自分で一つひとつを考えてみると、理不尽なことだらけだ。
そうやって、ここ数十年の日本社会は動いてきたのだろう。自分のアタマで考えないでも、守られている気がするシステムだから、そこから外れることが、怖くてできない。みんなといっしょのところにいれば、それで安全に思える。学校といっしょだ。
たぶん、日本人はとくに、会社や国家が、自分を守ってくれるという錯覚が強い。しかし、それが錯覚にすぎなかったことは、この十数年でハッキリしたはずだ。むしろ、会社と個人との関係があいまいなぶん、問題を起こしていることのほうが多いのではないか。たとえば過労の問題なんかも、無限に自分を組織に同化してしまう面があるように思う。
しかも、いまや錯覚が崩壊してきたぶん、国家のほうが個人を同化させようと躍起になってきている。これは、ほんとうに怖い。
私は、一つひとつ、自分のアタマで考えたい。税金のことなんて、実際はめんどうだし、金の計算なんて、本当は大きらいだけど。