設立趣旨

 学校に行かない、ただそれだけのことで、子どもの存在が否定されてしまう。そんな不幸な時代が続いてきました。この四半世紀、不登校の数は増え続けています。そして、この四半世紀、不登校の子どもたちは否定されてきました。 しかし、学校に行こうと行くまいと、子どもたちは生きています。その生き方を否定するような大人たちに囲まれて育つなんて、子どもにとっては不幸だとしか言いようがありません。 しかし、逆に、不登校という生き方を、親や大人が葛藤しながらも受けとめたとき、つまりは親や大人が自分自身の持っていた価値観・尺度を問い直したとき、そこから新しい地平がひらけることを、私たちは実感してきました。

 厳しい競争社会のなかで、大人も子どもも、意味や役割や評価でガンジガラメになって、息がつまって悲鳴をあげています。これまでのキュークツな価値観・尺度に合わせて生きることには、多くの人が疑問を持ち始めています。 もっと、いろんな学び方、育ち方があっていい。いろんな生き方があっていい。何も、みんなが同じ学び方、育ち方をしなくたっていい。子どもが学び育つのは、学校とは限らない。子どもは、どこでだって生きている。自分の学び方、育ち方、生き方は自分で決める。そんな価値観、そんな場所こそ、切に必要とされています。

 しかし、実際には、そんな場はまだまだ少なく、現在でも多くの子どもたちが、学校に行かないというだけのことで、存在ごと否定されているのが現状です。 ならば、自分たちでつくっていこうと、ここに、私たちはフリースクールフォロを設立します。 フォロは、フリースクールの運営を軸に、子どもたちのさまざまな学び、育ち、生き方を支援し、ともに創造していきます。そして、行政の手が届いていない領域であるだけに、これは特定非営利活動法人として、親・市民の手によって民主的に、責任を持って運営されていかねばなりません。

2001年9月 特定非営利活動法人フォロ